仕事のお話。
昔ながら業務効率や労働生産性などの言葉をよく耳にします。時間は限定されているから、その中で最大の効率を上げることは確かにもっとものことです。ITやDX、生成AIが世の中に広がりながら、何でもかんでも業務の効率を上げよう!生産性を上げよう!という叫びです。
さて、根本的な質問をしてみましょう。
その業務効率はなんのためにやるんですか?
もっとわかりやすく言いましょう。業務効率化で5時間分の仕事を3時間に減らせたと想定します。もしくは1時間に30の仕事ができたのを、業務効率化で50ができるようになったと想定しましょう。
皆さん、この場合は何が変わりますか?給料が上がりますか?家に早く帰宅できますか?
正解は、
「仕事が増える。」
はい、そうです。業務効率化を達成すると仕事が増える。それだけのことです。
2時間早く仕事を終えて家に帰ることではありません。
1時間に50の仕事ができて給料が上がるのか?実質賃金がずっと下がり続けているしとてもそうは思えません。
全ての人が業務効率化を叫ぶ。しかしながら、それをなぜやるのか、目的は何なのか、それをやって何が変わるのかについては誰一人も一言も言わない。効率的に仕事をすればするほど業務量が増えるだけ。これが現実です。
昔と比べて、業務の質や密度は圧倒的に増えております。
デジタル化や情報共有の進展によって、一人ひとりが扱う情報量や責任範囲も拡大しました。人員の最適化や業務効率化が進む中で、限られた時間でより多くの成果を出すことが期待されるようになりました。
その結果、業務の専門性やスピード、正確性への要求が高まり、業務の質と密度は以前と比べて圧倒的に増加していると考えられます。

「働き方改革」という名で、業務量を減らして共働きを推進する流れがありました。それすらまだ成功してない。本来なら、週30~35時間労働、つまり一日6~7時間労働もしくは週4日労働を達成すべきだったと思います。もしそれが達成できたら、今の社会はとても多くのことが変わっていたかもです。
一日8時間労働としても、会社への往復時間まで合わせると普通に+2時間でしょう。一日10時間は労働に拘束される。残った時間で家事、育児、睡眠などを解決しなければならない。夫婦がフールタイムで働くことになったら子育てと掛け持ちするだけでもしんどい状況です。その結果、出産率は下がる一方で、改善の気味もみえません。
「共働きの親のために、小学生に週2回の朝食を提供することにした!」ととある新聞記事で読みました。共働きの朝は大変、なのでフォローするのはとても良いことには間違いありません。しかしながら、フールタイムで頑張っている共働きの親のために学校で給食を提供するのと、朝にゆっくり親が子供と朝食を食べて10時にも出社できる環境を作るのと、社会は果たしてどっちに進むべきでしょうか。
共働きの親のために延長保育を夜遅くまで提供するのと、定時もしくはその前に帰宅して子供と一緒に過ごせるように業務時間を減らすこと。社会はどっちに進むべきでしょうか。
それを今一度考えてみる必要はあるかな、とよく思います。
